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「泣くよ?」
「やめます!」
それから……。
二人一緒のコットンリネンにくるまったままで、半円型の小さなバルコニーに出た。虹が出ていた。
朝焼けに波がゆらめき、黄金色に光り輝いている。
東京湾の海にかかるダブルの虹、別世界に来たように綺麗だった。
「ねぇナツ、ハワイの伝承でね。あのダブルの虹を見ると幸せになれるんだって。本当ならいいね」
「俺は菜々子がいれば幸せ」
「じゃあ本当だね。あの伝承。わたしもナツがいればそれが幸せだもん」
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