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追試がどうにか無事終わり、ようやく舞浜にあるテーマパークに二人で遊びに行かれたのは、菜々子が長野に帰る前の日だった。
一日中手をつないでパーク内を回り、たくさんのアトラクションやショーを観てまわった。
最後の花火まで観てから俺の運転するバイクで、二人アパートまで帰ってきた。
「楽しかったねー」
「おう! やっぱ菜々子と行くとめっちゃ楽しいわ。並ぶのが苦にならねえんだよな」
「わたしもだよー」
これが恋愛の醍醐味というものか。
俺は郵便受けのダイヤルを回しながら、まだ夢の国から現実に戻っていないような菜々子の頭をぐしゃぐしゃと撫でた。
明日にはもうバイバイか。一週間なんてほんとにあっという間だ。
郵便受けからほとんどがチラシの紙の束を取り出した。
電気料金やガス料金の領収書、たまに大学からの通達、そういうものの他にはチラシばっかりで郵便に重要なものが混じるのはたまにしかない。
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