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秋の月夜
西陽に背を向け
朝陽に心閉ざし
幸せの芽を摘む
萎えた趣味に舌鼓
深海の夜に溺れては
溶ける涙を飽和して
ムーンロードが静かに広がる
大地に返した芽はやがて
蒼い光に包まれる
妖しげな秋のフルムーン
命の蒼さを讃えても
冷たく笑うニュームーン
真実は続く神話
私はただ涙を落とし月の輪郭をなぞらえる
壁の隙間に
愛を隠すべきだった
ワイヤーを通して
あなたの鱗粉
細かく散らすべきだった
月に追われながらも
振り返り
愛の欠片に手を伸ばす
小刻みにうろたえる秋の膝の上で
一瞬あなたが輝いた
深き深き夜は迷子になりて
長き長き世は目的をも忘れ虚ろう
走る閃光は闇夜を切り裂いた
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