第1章

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俺は力が欲しかった。誰にも負けない力がただ一つでいいから欲しかった。 この世は強者と弱者に別れる。弱者は強者に抗う術を持っておらず、強者は弱者を簡単に捻り潰す。そんな理不尽な世界だ。だから弱者達は上を見てこう思うはずだ「力が欲しい」と。 華岸 十一(はなぎし といち)はごく普通の平凡な学生であった。何の代わり映えのない日常をダラダラ過ごすだけ。そんな人間だった。 だが、普通とは違って十一は力を望んだ。恥ずかしい自論を恥ずかしげもなく皆に言い、常にそう考えていると断言できるくらいに力を望んでいた。 そんな十一に何のイタズラか、或いは運命なのかはわからないが力を手にする機会が来るのだった。
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