性転換したけど、生きる?

2/9
189人が本棚に入れています
本棚に追加
/166ページ
俺は今高校受験も早々に終えて、春休みを満喫している。終えたと言っても推薦入試で合格した為、俺の頭が良いわけではない。こんな俺でもある程度の有名な進学校に通えるのだから推薦入試も考え物である。それでいて学費が安いのだから願ったり叶ったりだ。まあ、俺が真面目というのが功を奏したのだろう。 さて、急に自分の身の上話をさせてもらうんだが、俺の家には父親がいない。母が身一つで俺たちを育ててくれている。俺たちと言ったのは俺に兄がいるからだ。俺が通う高校と同じ高校に兄は通っている。だから学費が安い高校を選んだのだ。もちろん勉強面も意識してだ。兄は普通に受験で入ったので出来はいい。バイトしながらも勉強に遊びと高校生ライフをエンジョイしていて、実のところ彼女ももういるのだ。俺か?俺なんてまだまだだ。 そもそも昔から急に体調が崩れる時が俺にはある。運動はできるが、自分の身体に気を遣ってだ。それに兄ほどの学力も無くて、こんな俺にどんな魅力を感じろというのだ。病弱馬鹿キャラ。女だったら可愛いかもしれないが、男でこんな需要はない。高校に行かずに就職して母を助ける道もあったのだが、物凄く母に反対された。家族に気を遣われるのが嫌いなようだ。俺としては就職したかったが、母が言うなら仕方ない。高卒で働こう。
/166ページ

最初のコメントを投稿しよう!