春休み終わるけど、生きる?

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「ふぅ・・・。」 あの後兄は誤解を解こうと説得するために母と一緒にリビングへ行った。俺は関係ないので風呂に入らさせてもらったということだ。一番風呂のようで二人とも俺に気を利かせてくれたのだろう。 入院してるときはタオルで体を拭いたりであんまりお湯に浸かっていない。肩までこうして浸かっていると一日の疲れがおちたように感じる。身体的には。しかし心情的には女の身体でしかも病弱だと考えると疲れはとれない。 女の身体で生きていくのは覚悟した。何の問題もない。多少の不安もあるが、母がいれば大体は相談できることだろう。男の時より身近に相談相手ができたような気がする。 問題なのは俺が俺自身のことで精一杯だということだ。母は今までこそ大きな病気やけがもなく仕事をしてきた。しかし歳を重ねればその可能性は高くなる。女手一つで二人の面倒をみるといってはなおさらだ。そんな母に応えるように兄は十分な仕事をしている。 勉強もバイトも、そしてなにより兄自身が学生生活を謳歌していることで母に心配させないことが大きいと思う。それに比べて俺はおそらく満足のいく学生生活はおろか勉強もバイトもできない。
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