生きる？

性転換したけど、生きる？

ひとしきり俺が驚いた後、家族を呼んでお医者さんが説明をしてくれた。と言ってもこの症状についてわかってることは少なく、病気であること以外は判明してないらしい。

「私たちは簡単に性転換症候群と言っているけどね。姿形性別が変わってもこの子がお母さんの子であるのには間違いない。DNA鑑定でもしてみるかい？ただ男の部分が女に書き換わっただけだからね。」

「ええ、大丈夫です。疑ってるわけじゃ無いんです。薄々感づいてましたから。治らないんですよね？」

「残念ながらこの病気は世界的に見ても症例が皆無に等しい。お子さんを研究対象として提供してくれるなら、研究過程で治せるかもしれないけど、倫理的にどうなのかって話になるからね。現状では100%無理だ。」

そこまで聞くと母は黙り込んでしまう。兄に至っては下を向いてるし、なんだか暗いムードになってしまってる。まあ、実際急に息子が娘になったらどう対処していいかわからなくなるだろう。俺としてもこれから自分がどうなるのか不安で仕方ない。