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暗い雰囲気が病室を包む中、下を向いていた兄が急に顔を上げた。
「可愛いなおい!!これで心が男とかもはや気持ち悪いわ!!」
「うるせぇー!余計なお世話だよ!」
「うわー、可愛げねぇー」
何を言うのかと思えば兄は俺を茶化してきやがった。正直俺の気にしていた部分を何のためらいもなく言いやがって・・・。しかし、おかげで場がある程度和んだようにも思える。こういう場作りの上手さが彼女がいる所以なのか。
「元気がでたところでなんだけど、君は女の子として生きていくのが一番いいと思うよ。性転換手術しても完全には男に戻れないんだし、それに言いにくいんだけど女の子になったことで身体が弱くなっちゃったらしいしね。性転換手術するにもそれに耐えられる体力がないと。とりあえずしばらくは女の子の身体のままだね」
せっかく雰囲気が良くなってきたところで衝撃的な事実を告げられる。身体が弱い?女の子の身体になったことで元々体調を崩しがちだったのがもはや完全に身体が弱い状態になってしまったということか。
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