プロローグ・中学三年生春休み

3/5
前へ
/5ページ
次へ
 桜がまだ咲初めで、鮮やかなピンクの並木道を二人は歩いていた。 「思い返すと、あっとゆうまだったね!でもさ、ヒロとは三年間同じクラスだったから、凄い奇遇だよね」  俺と浦川の家は、すぐ近くだから帰りも一緒に帰っている。 「確かにそうだったな。おかげで、充実した日々だったよ」 「ほ、ほんと?俺だって毎日が充実してたよ」  俺はあまりの嬉しさに、飛び跳ねるみたく浦川の前を歩き、浦川の前を歩いてる時の事。 ずっと、だんまりだった浦川が、声を上げた。 「お、おい……。」 「ん、どうしたの?」  俺が前を向いた瞬間の事だった。 何か柔らかい感触があった。 恐る恐る下を見ると、そこには女の子が尻もちをついていた。 「あぁ!ごめんなさい。大丈夫ですか?」  尻もちをついていた女の子は、何も反応は無かった。 すると、横から浦川が女の子に、手を差し出した。 「ほら、大丈夫か……。」  女の子はヒロの手助けは、頼らず自分で立ち。 少し走って行ったあと、こちらを振り返り軽く一礼して、また走りだした。 「行っちゃったな……。」 「……かわいい。」  俺のその、言葉に浦川は思わず。 この日一番の大きな声が出た。 「はぁ……?」
/5ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加