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そして。俺は家に着くまでの間、ずっとあの女の子の話を、浦川にしていた。
浦川の家に着いた時。
ごく普通の、一軒家に住んでいる浦川は家のドアノブを引く時になって、俺の方を振り向いた。
「あのな、いくら可愛いからってな、結局は赤の他人だぞ。また会えるとは限んないだろ、止めとけって。……じゃあな。」
「う、うん……。」
そして。俺の家までは、あっとゆうまに着いた。
俺の家も普通の一軒家だった。俺は深いため息をつき玄関の扉を開けた。
「ただいま。」
すると。リビングの方からこっちに、勢い良く走ってくる足音が聞こえた。
「お兄ちゃん。おっ帰り!」
「ただいま。櫻は元気だな……。」
元気よく俺の帰りを待っててくれたのは、妹の櫻。
そして台所の方から同じく、お帰りなさいと言う母の声がした。
妹はいつもより元気のない、俺の表情を見て心配そうに話す。
「お兄ちゃん。どうしたの?あ。もしかして、振られちゃったとか?」
「勝手に、話しつくんないでよ……。こっちは真剣なんだから。」
妹は首を傾げて。不思議そうに俺を見つめる。
俺は靴を脱ぎ捨て、自分の部屋のある二階へ向かった。
「夜ご飯出来たら、起こして。眠いから寝るね……。」
俺は妹にそう言い残し階段を上がって行った。
妹は首を縦に振るだけだった。
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