きっと第2話

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   彼女がわずかに身じろぐ度に、二つのメロンが上下に揺れた。  ゆさゆさではない。  ブルンブルンだ。  あまりの迫力に目が釘付けになってしまう。 「おいでなさいアルテミス!」  しかし俺の無躾な視線などものともせずに、金髪美少女は高らかに告げた。  右手を頭上に高く突き上げる。  バイ~ン!  反動でまたメロンが揺れた。  あぁっ! お胸様が……!  つい敬称をつけてしまった俺は、悪くないと思う。 「天使を召喚しやがったわね!」  そんな俺の真横で、忌ま忌ましげな舌打ちが響いた。  はっと傍らを振り返ると、頭上を睨むベルフレイアがいる。  その視線の先を追えば、雲の隙間から降り注ぐ一条の光が見えた。  メロンに目を奪われて気づかなかったが、金髪美少女が何かしたらしい。  光の中に目を懲らすと、何やら白っぽい人型の生き物を視認する。  その背中には、一対の白い大きな翼があった。 「あれが天使……?」  思わず疑問がこぼれ落ちた。  なぜならそれは、人型でありながら人ではなかったからだ。  飛翔しながらも風になびく事のない髪。  微塵も動かない表情は、微かな笑みを浮かべた形のまま固まっている。  神殿とか美術館とか、外国の噴水の傍に鎮座しているような、天使の石膏像が飛んでいた。  ホラーだ。  それらは硬質な翼で力強く空を叩きながら、ぐんぐん近づいて来る。  俺とベルフレイアの前に降り立った。  正確には、地面に突き刺さった。  スドドドド……!
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