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「ですが次で終わりにして差し上げますわ!」
彼女はさっと右手を掲げる。
それを合図に、再び石像達が石羽根を拡げた。
ぎこちない動きで空を叩き、一斉に空に舞い上がる。
空中でぴたりと一度制止すると、ベルフレイアめがけて滑空をはじめた。
「チッ!」
真上で苦々しげな舌打ちが鳴り響く。
正面に目を戻すと、絶望に歪んだベルフレイアの顔があった。
「ダーリン逃げて!」
言い終わるや否や。
ゴッという鈍い音とともに、ベルフレイアの姿が消える。
一気に体が軽くなった。
腹の上にいたベルフレイアが、吹き飛ばされたからだ。
一瞬、何が起きたのか判らなかった。
怪訝に眉を顰めながら、辺りに視線をさまよわせる。
すると少し離れた場所で、頭から血を流しながら倒れている彼女の姿を発見した。
「さぁ、アルテミスよ! 魔公女を始末しなさい!」
地に倒れ伏したベルフレイアに、石像群が踊りかかる。
視界が硬質な羽ばたきの音に埋め尽くされて行った。
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