きっと第2話

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   改札を通り抜け、駅前広場を歩き出した。  しかし案の定と言うか何と言うか。  ヒタヒタという裸足の足音が、どこまでもついて来る。  胡乱な目でふり返ると、相も変わらず輝く紫眼がそこにあった。 「お前、一体どこまでついて来るつもりだ?」 「死が二人を分かつまで!」  元気よく返される。  俺ははっと肩で嘆息して、高架下の薄暗い路地へと歩を進めて行く。  すると直後。 「魔族の薄汚いメス犬が纏わり付いているようですわね……」  玲瓏とした女の声が響き渡った。  顔を上げると半地下となっている狭い通路上に、細身の人影が立ち塞がっている。 「お前は……?!」  俺の背後で美少女が警戒態勢をとった。  その声に導かれるように、高架下からゆっくりと人影が歩み出て来る。 「魔公女のベルフレイアですか、相変わらず鼻が利くこと……」  人気のない通路にコツコツという靴音を反響させながら、一人の少女が現れた。  あぁ、確か美少女はそんな名前だったな。  そんなどうでもいい事を考えながら、俺は眼前のその人物を観察した。  金髪に碧緑の瞳。  メリハリの効いたしなやかな長身は、夏場にも関わらずトレンチコートに包まれている。  緩いウェーブを描く長い髪が、歩く度にふわりと揺れた。  しかし西洋風の色彩を持ちながら、その肌は褐色だった。  小麦色と言った方がいいだろうか。  彼女は意志の強そうな吊り目がちの目に、敵意をこめて俺を睨みつけて来る。  正確には、背後の美少女を睨みつけた。 「神族の陰険女!」  緊張を孕んだ声音で、ベルフレイアが叫ぶ。  魔族の次は神族かよ。
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