23人が本棚に入れています
本棚に追加
トレンチコートの下から現れたのは、褐色の肌だった。
それはもう見事に、一面の褐色の肌だった。
つまり、服を着ていなかった。
「メ、メロン……だと?!」
遅れて、そこにあるものを目にした衝撃が、じわじわとやって来る。
金髪美少女の胴体で、革命が起きていた。
丘とかお椀とか小山とかいう比喩では足りないほどの、絶峰がそこにあった。
「ちちレボリューション……」
俺の真横から、喘ぐような呟きがこぼれ落ちる。
傍らを盗み見ると、俺と同じようにあんぐりと口を開けたまま、二つのメロンを凝視するベルフレイアがいた。
「ほほほ……! これで判ったでしょう? 自分がいかに矮小で、無謀な勝負をしているのかが!」
金髪美少女が高らかに哄笑しながら、得意げに胸を張る。
その反動で、二つのメロンがたゆんと揺れた。
ものすごく重そうだ。
そしてなんて、堂々とした変態なんだろう。
呆気にとられてコートの前を全開にした、残念な美少女を眺め遣る。
目を逸らさなければいけないとか、むしろ目を合わせてはいけないとか言う、危機感や罪悪感が微塵も湧いて来なかった。
「ちくしょう! レベルが違いすぎる……!」
ベルフレイアが悔しげに歯噛みしながら、がっくりと崩れ落ちる。
え、そこ? 悔しがるところなの?!
むしろもっと他につっこむべき所があると思うんだが……。
一人狼狽して挙動不審になる俺は、先ほどから言葉そのものが出て来ない。
「もう少々お待ち下さい、ギフターよ。今すぐこの薄汚いメス犬を始末いたしますので」
そんな俺に、金髪美少女がたおやかに微笑みかけて来る。
最初のコメントを投稿しよう!