第1章

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午前1時。 真伽ちゃんがいつものようにトイレへと向かった。 「やだなぁ」 独り言を思わずつぶやく。 塗りかけのペディキュアを指2本残して、 ペンタブを持つ。 今日中にあげると言ったのに、 もう1時を回ってしまった。 みんな待ってくれてるのかなと思うと、 寝ている場合ではないとはりきってしまう。 明日は1限は教授が学会で休講だから、 学校は休んでしまおうかと思っている。 必修の英語があるが、まだ1回くらい 休めるはずだ。 斉藤の方がよく休んでいるし、大丈夫。 午前1時半。 真伽ちゃんがトイレから出てきたみたいだ。 やだなぁ。 真伽ちゃんはちゃんと芳香スプレーを ふってくれるけど、なんか、嫌だ。 気配というか、雰囲気が残っている。 じっとりとした、なにか嫌な雰囲気。 真伽ちゃんは、気にしすぎだと思う。 164センチの56キロなんて。 標準体重じゃん。 確かに昔真伽ちゃんは太っていたけど、 それがなんなんだろう。 「私も真未みたいに生まれたかった」 よく真伽ちゃんはそう言うけれど、 それは私の台詞だよ。真伽ちゃん。 私が真伽ちゃんみたいに生まれたかったよ。 午前2時。 真未の部屋から音楽が流れてくる。 誰の音楽かまではわからないけど、 多分アニソン。 どこがいいのかわからないけど、 真未は見た目とは裏腹に昔からアニメが 好きだ。今見てるのは、「相当の敵」 と「ガンオブミックス」だったかな。 「相当の敵」は相当好きみたいで、 原作もこの前買って読んでいるのを リビングで見た。 「2時かぁ」 お腹の中がフラットで気持ちがよい。 まだ寝るには惜しいなぁ。 明日は2限からだし、もうちょっといいか。
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