第1章

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午前4時。 夜が白み始めている。 やっとイラストが完成した。 勇んでアップする。 ・・・すぐに返事がくるのが嬉しい。 神なんて。 えへへ。照れるなぁ。 1人1人に返すのは難しいので 「みなさん、ありがとうございます」 とお礼を言って寝る準備をする。 ケイトミズケットのふわふわのパジャマは、 先月出たバイト代でおととい買った。 見た目は可愛いけどややもこもこしすぎていて 眠りずらいけど、我慢。 私は自分の好きな可愛いものやかっこいいものに 囲まれて暮らすのが好きなのだ。 彼氏の洋佑も、だから付き合った。 かっこいいから。 ただそれだけ。 私って、なんて存在価値のない人間なんだろうって たまに思う。 親の金で大学に行って、食べさせてもらって。 まだ1年生だから就活まで時間はまだまだある。 この時間を、絵を描くこととバイトにつぎこんでいて いいのだろうか。 考えても答えがでない。 「答えは出るべくしたとき、出るもんだよ」 おじいちゃんの言葉を思い出す。 「でっかいおにぎりになるんだよ。 一つの飯粒がいっぱいつながった、でっかいおにぎりに」 ぐぅ。 おにぎりのことを考えていたらお腹が鳴った。 なんか食べに行こうかなぁ。 真伽ちゃん食べ尽くしちゃったかなぁ。 真伽ちゃんのあれを、家族は黙認してる。 それは多分、おじいちゃんの指示だと思う。 遠くでカラスが鳴いている。 よし、今日は休むか。 完
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