エピローグ

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 2014年7月26日。  家に一通の手紙が届いた。仕事帰り汗だくの体で家に入ると窓を全て開けた。  手紙の差出人を見て、嫌な予感がした。麦茶を飲みながら手紙を開いた。  自分と同じ苗字の人物のようだが、見覚えのない名前だった。  その日、自分の父親が三年前に脳梗塞で一年の植物状態の末に亡くなったとの知らせだった。  蝉の鳴き声が頭で何度も反芻するような、グラついた視界。  暑さの所為だけでなく全身から、汗が止まらなかった。  相手は父の兄であると名乗り、携帯番号が添えられて居た為電話をかけた。  すぐに繋がりお互い名乗りを終えると、叔父はぐずりながら父の最後の一年間の話を聞かせてくれた。  少しだけ泣き、心がっ空っぽになった様だった。
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