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母は、借金取りに二度同情されたことをよく話してくれる。
一度目は、父親が借金を作りそれを真面目に返したとき、父親は叱られ母親に同情されたらしい。
二度目は、離婚後父親が自営業で失敗した借金取りが、ボロアパートに来ていた時のことである。
あまりの貧乏っぷりに”もういいです。こっちで何とかします”と言われるほど酷い生活をしていた時だった。
この頃、母親は最長五日はご飯も食べず仕事を三つ掛け持ちしていたらしい。
役所には追い返され、受けられるはずの制度が受けられなかったと良く嘆いていた。
このことが切っ掛けで私は福祉に行く事になったが、結局、何も解らず仕舞いだった。私が思うにその対応を行った個人の問題なのだろうと今も思っています。
(その役所も、人が総入れ替えされ対応も変わり良くなってます)
その時期に、もう一つ心変わった事が祖母の事だった。祖母に頭を下げ、母は恥を忍んでお金を借りに行ったことが有った。
しかし、簡単に追い返された挙句、祖母は一週間もしない間に旅行に出かけてしまった事だった。
金の切れ目がとは言うが、頭まで下げた母に対しての仕打ちが、私達にはどうしても許せなかった。
故にいまだに私たち兄弟は祖母が嫌いです。しかし、母は”自分もいつかこうなるんだから”と言い祖母に会いに行く事がある。
母の度量が広いのか、私の器量が狭いのかは未だ解りませんが、この頃本当に色んな大人を見て失望したりしていた事を覚えています。
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