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「も~!劉虎お兄ちゃんってば、降ろして!!」
「駄目だ!お前はすぐ迷子になるからな!」
人混みの中を颯爽と歩く劉虎に、まるで荷物のように肩に担がれるウサコはなんとか逃げようともがくがガッチリと足を掴まれて逃げれない。
『こうなったら…!』
と、ウサコは逃れるためにある手段を試みることにした。
それは…
小さなふわふわのしっぽをフリフリと一生懸命振ることだった―
そうすれば、劉虎の気が散って逃げ出すチャンスが出来るかもしれないと考えたのだが…
「~~~」
しかし、当の劉虎は気が散るというレベルではない。
しっぽがフリフリと横で振られて、理性が飛びそうになるのをグッと堪える。
すかさず、もぎゅっ!とそのふわふわなしっぽを鷲掴みにした。
「やっ!?しっぽ握らないで!!劉虎お兄ちゃんのエッチ!」
「あ~の~な~!今更、何処触ったて同じだろ!」
そう言って劉虎はしっぽから手を離すと、今度はぺちん!とウサコのお尻を叩く。
「劉虎お兄ちゃんの馬鹿っ!!こんな人前で叩くなんて!も~いつまで触ってるの!!」
「お前が暴れるからだろ!!それから、さっきみたいに男の前でしっぽ振るなよ!」
「ど、どうして?」
「どうしてもだっ!!」
そんな喧騒の中を、けたましく喧嘩する二人にある人物が声をかけた。
「あれ?劉虎じゃん。久しぶりだな~!」
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