第1章

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劉虎に声をかけたのは金魚型のセリアン瑠金だった。 瑠金は両肩には箱をそれぞれ担ぎ上げ、さらに腕には紙袋をいくつもぶら下げている。 「おっ!瑠金じゃん。随分いっぱい荷物を持ってるな」 劉虎はウサコを肩から降ろすと瑠金を見て言った。 「ああ。これ全部、花火なんだ。これ使って新しい曲芸の練習しようと思ってさ」 瑠金はニヤリッと笑う。 「ところで、その娘は?」 瑠金は劉虎の隣のウサコに目を移す。 「ああ、こいつは俺の妹で…」 「初めまして。ウサコです!」 ウサコはにこりと微笑むと瑠金にお辞儀をした。 「へぇ~。劉虎の妹か。俺は瑠金。よろしくな!」 「よろしくお願いします!」 初対面だからだろう、きちんと敬語なウサコに瑠金はニッと微笑む。 「そんな、堅苦しくなくていいよ。普通にしてくれればさ。その方が話しやすいし」 「うん!ありがとう。じゃあ、改めてよろしくね」 明るい性格の瑠金の親しみやすさに、ウサコもすぐに打ち解ける。
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