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河川敷には淡い光を放つホタルが飛び交う。
そんな中、準備万端な瑠金が劉虎とウサコの姿を見つけて手を振った。
「お~い!こっち!こっち!」
「悪いな。全部、用意してくれたのか?」
「ごめんなさい!遅くなっちゃった?」
二人が申し訳なさそうに駆け寄ってくると、瑠金はニカッと笑う。
「いや、早めに来て練習してたんだ。さって、始めようぜ」
そう言うと瑠金は、両の手の指の間にそれぞれ三本の手持ち花火を挟んだ。
そして、火の付いたロウソクで花火に火を付けるとサッと身を翻して距離をとった。
金魚のヒレをたなびかせ―
舞うように宙返り―
花火が一斉に色鮮やかな火花を煌めかせながら螺旋を描く―
「わぁっ…!!凄い!!瑠金さん、綺麗…」
「へぇ…」
ウサコは瑠金の見事な舞にうっとりと見惚れいる。
そんなウサコがちょっぴり気になるが、劉虎も感嘆の声を洩らす。
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