第一章 無知と鞭  1

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「うふふふふ」  凪の笑みがどういう意味で使われたのか知りようが無い。でも、褒めている笑いではないのは確かだな。 「ところで……昨日の怪我は大丈夫なの?」 「怪我? あぁ、あれか。大丈夫大丈夫」  俺は包帯を巻いた両腕に振って、 「紐みたいなのに縛られて鞭でおもっくそ叩かれた後に、ハイヒールで踏まれただけだから、大したことねぇよ。これくらいの痛みなら俺の魔法の関係上慣れてるよ」 「あなた、それに慣れてるってよっぽどのど変態か、世界各国を飛び回る傭兵か何かなの?」 「風紀を守る騎士さ」 「B級ドラマみたいに臭い発言ね」  ブスリと突き刺さる嫌味に思わず苦笑いをした俺に、 「叢雲おおおおおおくん!」  真殿先生の物凄いハイトーンボイスが響き渡った。
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