第一章 無知と鞭  1

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「は、はいっ!」  立った瞬間、皆の視線が集まってくる。 「な、なんでせう? 真殿先生」 「キミはSかね? Mかね?」 「そ、そんな。急に性癖を聞かれても困ります」 「君のぉぉぉぉ性癖などぉぉぉぉ微塵の興味しかないよぉおおおっ!」  微塵の興味はあるのか。怖いな。 「君のぉぉぉぉせんもぉおぉんを聞いているんだよぉぉぉぉ!『S』か『M』か、一体どちらなんだい?」 「え、えっと、防魔専です」 「つまり、ドぉぉぉぉMなんだね。だとおぉぉぉぉもぉぉぉぉった! キミそんな顔してるからねぇっ! うほぉおおおおおっ!」  教壇を手のひらバンバン叩く。  それと同時にSの奴らの笑い声があちらこちらで広がっている。  あの爺さん。攻魔専出身だったんだな。チッ。 「あぁ? 誰がドMだぁ……っ」 「先生。特定の専科に対する侮蔑は生徒の人権侵害にあたりますのでやめてくださいませんか?」
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