序章

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(ど、どんな状況だ。これ)  海老反りになる程に吊るし上げられて、声にならない声を漏らしている。原因はボールみたいな物を口に嵌められているせいか。  男女問わずの平等な精神は良いが流石にこれは酷い。  が、一体どうすればこのような状況が出来上がるんだよ。  ……っと!? 「あぶねぇっ!?」  後ろから来た物を、振り返って拳を振り下ろして叩き落とす。  手に生々しい感触が伝わり、と同時に何かが弾ける音がした。 「後ろから奇襲を仕掛けてくるなんて随分卑怯なことをしてくれるじゃないか。テロリストども」  敵の数は三人。  男が二人で女が一人。  一番奥にいる男は背が高く、続いて女、そしてもう一人の男の順の身長差がある。  全体的に体躯がガッチリしてる者いない。まあ、この学校では筋力や肉体的の強さ等の″そんな物”は関係ないのだけど。
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