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丞央学園 大講義室。
最大収容人数 1700人以上を誇るこの学園で最も大きな教室だ。
「で、何度ぉも……何度おおおぉもぉぉぉ言っているとぉおおり、まっふぉおおおおおおっの基本は攻撃にとぉっかするか守備にとぉっかするかであり……」
こめかみから雲みたいに伸びた髪が特徴的な真殿先生が、黒板にチョークを走らせる。
『ふぉおおおおっ!』って、なにサタデーナイトフィーバーな声出してんだよ。良い歳してんのに。
ってか、何故かいつも伸ばす母音のオがすごく気になる。
大講義室の後ろの方で聞いていたら『うーぉう、うーぉう』と叫んでいるようにしか聞こえない。
激昂した時なんてほぼ『お』の連呼だ。あれじゃあ怒られてる側も何を言っているのか分からないだろうに未だに指摘する人はいない。当然俺もその一人である。
「やれやれ、憂鬱な顔してるわね。そんな顔をしていると幸せが逃げちゃうわよ?」
俺の隣で呆れながら指摘してくる一人の少女。
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