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後ろで結った黒髪に、大きなどんぐり目。昔の武将を思わせるような左眼に着けている眼帯と、スレンダーなボディラインが特徴的な、俺の幼馴染がそこにいた。
「ちゃっす。委員長。元々こんな顔なんで気にしないで下さい」
「うわー。私生活でも委員長って呼ばれるとちょっとテンション下がるわね。私生活に公の仕事を持ち込む男は長続きしないわよ?」
「はいはい。わかりましたよ。久遠 凪さん」
「それでも敬語とかヒクワー」
マヌケそうな表情をしながら口をぼんやりと開ける凪。
いつもキリッとしている風紀委員長サマがこんな顔をしているだなんて感慨深いものがあるな。
「そもそも、何百人といるこの学年で常成績トップクラスの優等生様にこの凡才な私めが敬語を使わないのは失礼では無いですか?」
「いやいや、謙遜とは人が悪いですなぁ。貴方の才能は十二分発揮されてますよ?」
「ほう? いつ俺の才能が発揮されたのかご教授願おうか」
「うーん、わたしのおじいちゃんが『叢雲君の盆栽は素晴らしい。非の打ち所がない』って褒めてたわよ」
「……凪爺。俺、盆栽なんて育ててねぇよ」
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