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「そんなこと思いつく何て..俺、本当に裏の世界の住人何だなって。だからね、王様..俺のこと好きなんだよ、ね?だったらさ..俺と弟のために、俺に殺されて..よ?」
何で、何で
何で涙が出てくるの?
あの時から、涙は枯れて出てこなかったのに。
「サシャ..お前は優しすぎるんだ。この仕事には向いてない。それにお前は馬鹿だ」
「な、っ」
「俺が惚れたヤツの家族を見捨てると思うか?弟も一緒に暮らせばいいだろう」
「だ、からぁっ..無理あんだってばぁ、っ」
ぽろぽろ落ちてくる涙を手で拭いながら、俺はスン、と鼻を啜った。
「おと、うとがっ似てるってい、たでしょ、?」
「世界には三人、自らにいた者がいると聞いたことがあるが..」
「王様の兄弟だよ」
その言葉は、やけに、しっかりと言えた。
いつの間にか涙はとまってて、俺はこの部屋に俺たち二人しかいないか、今更気配を確認して、口を開いた。
「俺は小さい頃..親を殺されてね、その殺した奴らに連れてかれたのが、暗殺者とかを育てるトコだったの。俺にはそっちの才能があったらしくて、年長組を抜かすのはあっという間だったよ」
「..」
「王様は知ってるよね?王族で双子は禁忌なの。どっちか一人は殺さなきゃいけない。その殺しを頼まれたのが、まだ九歳..だったかな?---の俺だったんだよ。でも、俺は殺せなかった。組織に内緒で育てることに決めて、組織がなくても稼げるようになったから、組織を潰して独り立ちしたの」
許せなかったよ。
弟は苦しい思いをしながら毎日必死で生きているのに、もう一人は英才教育を受けながら大切に育てられてるんだって思うと。
実際は少し違かったけどね。
「分かったでしょ?本来なら弟は生きてちゃいけないの」
俺は弟を残して王様と暮らすなんてできない。
弟を殺そうとするやつは誰であろうと容赦しない。
例え、王様だろうと。
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