プロローグ

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 橘勇輝。名前負け選手権があればぶっちぎり優勝するだろう僕の名前だ。  勇ましく輝く。勇気もない、陰気な僕にはとても似合わない。  現にこうして、目の前にいるいじめっ子三人にペコペコすることしかできないんだから。 「そ、そうだね……今日はボウリングとかど、どう?」 「おっ! いいねー!!」 「やっぱ、給料日あけは違うねー!」 「ゴチになりまーす!!」  身体いっぱいで三人は歓喜を表す。 「さっそく行こうぜー」  夕焼けに伸びた三人の影に引っ付きながら、僕も足を動かす。
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