勇者召喚

2/9
前へ
/82ページ
次へ
 視界全てを包んでいた白い光が、少しずつ輝きを弱める。  ただ、僕の視力はまだ回復するには時間が必要だった。 「お待ちしておりました。勇者様」  心に直接語りかけるような透き通る落ち着いた声色。  声の高さからして、女の人でほぼ間違いない。 「……勇者?」  重たいまぶたをゆっくりと上げた。  状況が飲み込めず、眼球が右往左往してしまう。
/82ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加