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千春が叫んだ。
「めんどくせーよ。お前ら、はっきりしろや!! ウジウジウジ、めんどくさいんだよ。太輔もシャキッとしろや!!」
ドンッと背中を叩かれ、前につんのめりそうになる。怪我人になにしやがると思うが、ぐっと辰美との距離が縮まって俺は思わず後ろに下がりそうにるが、後ろでは万里子が睨んでいたので下がりに下がれず。
「辰美、俺な」
「うん」
「待ってる。いつまでも、お前が有名人になるまで、待ってるから、頑張れ」
「うん。頑張る。だから、太輔くんも……」
そっと手が回されて、唇が重なる。
「浮気してないでね」
「バッ、バカヤロー、そんなのいるか、いるわけないだろ」
「そう? 近くにライバルがいそうだけど?」
「ほー、どこだ。どこだ」
わざとらしく千春が万里子を眺め、万里子がブンブンと首を振った。
「だー、もう、お前ら行けよ」
と叫んだ。
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