第3章

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今日から夏休みだ。 よっしゃ!!夏休みだー!! とか、思ってるのはたぶん俺以外だ。 なぜか、はあ…。 昨日部活ノートを取りに自分の席に向かってノートと一緒に出て来た物、それは糸井からの手紙だった。 いわゆる、ラブレターだ。 きっと、昨日糸井が教室に糸井がいたのはこのせいだったのだ。 しっかし…、どうするかな、親友の好きな人に告白されるなんて…こんなにやっかいな告白はない…。 「ふああ…。」 眠み…考えてたら寝れなかったんだよなー。 「希飛ー!!」 「何ー?」 1階にいる母さんが俺を呼ぶ。 「早く学校に行きなさーい!!」 「へーい!!!」 時間を見たら、あ!!!やっべ、部活、遅刻に近い時間だ…。 急がねーと。 *** 3日後。 ああ、返事しないといけねーんだよな…。 電話するか、いや番号知らねーや。じゃあ、呼び出して…いやいやもっとダメだ。雅樹にバレたら何を言われるか…。 あー、どーすりゃいいんだよー。 「よー!!希飛!!」 「後ろから、声を掛けてきたのは、予想通り雅樹だった。 「よっ。」 「これ。」 雅樹が俺の前に差し出したのは、携帯だった。 「ん?何んだよ、くれんの?」 「はっ!!?な訳ねーだろ。こっちだって、アドレス。」 アドレス…?誰の、? 糸井香恵…? 「え。オマエどうしたんだよ。」 「交換したんだ!!」 「へえ。」 「で、オマエのも交換しといたから。」 「はっ!!!!!????てめえ、何勝手にやってんだよ!!!」 「ゴメン!!!頼まれて…、だからさっ!!メールしてみてくれ!!!」 はあ、、あ、そうか!!!メールで返事すればいいのか。 「よしっ、雅樹それやってやるよ!!」 「え。…いいのか?」 雅樹が目を見開いている。 「ああ。じゃあ頼むぞ!!」 俺は雅樹に糸井のアドレスをもらった。 *** 「ただいまー」 親がまだ仕事で誰もいない家に1人で叫ぶ。 まあ、誰もいない事はわかってるけど…。 あ、そうだ。糸井にメールしないと…。 ((林です。糸井さんですか?)) すると、1分もしないで返事がきた。 ((はい。糸井香恵です。)) 俺はまた文を打った。 ((告白ありがとう。でもゴメン。)) ((ううん。返事くれてありがとう。)) ふう…、これでもう終わりだ。 これで、俺は自由の身だ。 そう思ったら急に眠気が押し寄せてきて、朝まで寝てしまった。
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