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「俺、告る!!!」
雅樹がそう言ったのは、あれからしばらく経ってからだった。
「へっ!??」
俺は、こんな声しか出なかった。
そしたら、雅樹は言い直した。
「だーかーら、俺、香恵に告白する!!」
なんだよ、もう名前で呼び合う仲になってんのかよ。
「へえ、頑張って。」
この日は気持ちの良い青空だった。でも、これだけでは終わらなかった。
「オマエも大谷に告白しろよー。」
「嘘だろ?」
雅樹に言われて、俺は何より驚いた顔をしたと思う。
「オマエ、いい加減にしろよ!!大谷が好きなんだろ??」
いきなり、雅樹が怒鳴った。今までで1番大きな声だっただと思う。
俺だって、わかってるよ!でも、告白なんて…それにフられたら…。
「よし、ダブル告白しよう!!今日、部活終わったら呼び出して、告白するぞ!!」
「はあ!!??何言ってんだよ、オマエ。」
「もう、絶対告白するんだよ!!で、成立したらダブルデートしような。」
「あ、いや…」
雅樹は俺の声なんて聞かずに、自分の席に着いてしまった。
嘘だろ…。無理に決まってんだよ。
部活中もそればっかり考えていた。
9月の校庭は紅葉が綺麗だ。
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