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部活が終わって、雅樹が来た。
告白の時間に近付いてきた。
「よし、呼びに行くか。」
マジかよ…。もうそんな感じ?…や、やるしかない。
***
「…ちょっと知亜、来てくれない?」
俺は知亜を呼び出し、雅樹は糸井を呼び出した。お互いに緊張している。
先に雅樹から告白し始めた。
「…ずっと香恵好きだった!!付き合って下さい!!」
雅樹はもちろん、糸井も真っ赤になっている。そして口を開いた。
「…はい、わ、私も雅樹くんが好きになってました…。」
オオっ!!成立した…。すげー。
次は俺か……よし!!
俺も知亜の方に向き合った。
「…知亜、俺さ初恋したんだ。…あの朝オマエの事が本当に好きになったんだ。お、俺の初恋の気持ちを受け取って欲しいんだ。」
俺は真っ赤になった。
知亜は何も言わない。しばらく沈黙の間、ようやく知亜が口を開いた。
「…たし…私も。…希飛が好きだったよ!!でも、ずっと言えなかったの…。」
知亜は目に涙を浮かべている。
そして、続けた。
「す、好きだけど…私10月に…引越しちゃうの…。」
これを聞いた俺は知亜を抱き締めた。知亜の涙が雨のように止まらない。
こんな苦しい話あるかよ…。
「…引越しても良い…。付き合おうよ。」
俺は彼女の耳元でささやいた。
「…うん」
知亜が笑顔で答えた。
俺、この笑顔好きだな…。
「-よーし!!成立したから明日、土曜日ダブルデートに行くぞ!!」
雅樹は俺たちを見回して、笑って言った。
だから、俺たちも同じく笑って返した。
「おー!!」
こうして、俺の初恋は実り正式にカップルになった。
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