第7章

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電話を斬って走る。 「ハア…ハア…」 しばらく走って、目の前に引越しトラックが見えてきた。 間に合った…。 そこには、糸井、雅樹もいた。そして、大好きな知亜もいた。 3人とも泣いている。いや、雅樹は涙をこらえている。 今日、知亜が引越す。知亜は俺に気付いて走り寄ってきた。 「希飛、ありがとう。…うっ…もっと一緒にいたかったよ…」 鼻をすすって笑顔でいようとする。 知亜は茨城県に引越す。俺もつられて涙が出てきた。 「また、一緒に遊園地行こうな。…きっと、いつか。」 やっとのことで、ここまで言い終わった。 「希飛、絶対に他に彼女つくらないで!!」 えっ!??知亜の口から意外な言葉が出てきて、俺は目をパチクリさせた。 でも、だんだん理解出来て顔を赤くしてうなずいた。 「…わかった。」 俺たちは、しばらく見つめ合っていた。 でも、すぐに。 「知亜ー!!行くよー!!」 知亜の母さんが呼ぶ。 知亜はもっと涙を流した。最後に小さな紙を俺に渡して言った。 「今まで本当に、…ありがとう…またね、」 「ああ、またな…」 俺と知亜は涙を流して笑った。 10月3日、雲1つない青空だった。
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