第7章

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-あれから1年。 よく晴れてんな。俺は空を見上げて筆箱の中から知亜からもらった手紙を取り出した。 ((10月3日には、会いに行くよ。 その日が晴れてたら…)) 手紙には、こう書いてあった。 それを見た、雅樹と糸井は笑って言った。 「2人は、織姫と彦星だもんね。」 「もし、雨だったら俺たちが橋を作ってやる。」 「サンキュ。」 今日がその約束の日だ。 あれから、知亜とは電話やメールしかしていない。全然会っていない。 でも、俺はちゃんと青空の真下で知亜を想っているし、知亜も俺を想ってくれている。 *** 部活が終わって途中まで雅樹と糸井と一緒に帰って家に着いた。 「ただいまー」 「おかえりっ!!」 「!!」 なんと、出て来たのは母さんじゃなくて、俺の織姫の知亜だった。 知亜はちゃんと約束を守った。 そんな、知亜を見て俺は彼女に近づいてそっと唇を重ねていた。 「…晴れて良かったね」 彼女は俺に微笑みかけた。 いつまでも、俺の織姫でいてくれ… *end*
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