プロローグ

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『 ずっと好きだからね 』 その男は、東京に出て来たばかりの私が 新聞配達の住み込みをしながら バイトしていた先のレストランのオーナー 愛を囁くその言葉には嘘偽りは感じなくて 都会で一人きりだった私は信じ切っていた。 けれど、その男に家庭があったのを知ったのは 一緒に過ごした季節が何度か過ぎてからで ( …あーあ、 今日は厄日だわ ) その男と終わった時、 持っているのが辛くて堪らなくて 貰った指輪を半ば投げやりに質屋に持ち込んだ。
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