出会い

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「…小川さん、どうかしましたか?  今日はぼんやりとしていますよ」 「え? そう?」 窓の外を眺めていた私は その言葉に居直すと背筋を伸ばす。 「夜更かしでもしたんですか?」 「…まぁ…、そんなところね  それより…」 曖昧に誤魔化しながら 時計に目を向けようとした時、 こちらへ向かってくる人に気付いた私は にっこりと笑って席を立った。 「本日11時にお約束していました  田中薬工業の南です  経営企画課の鈴木様をお願いできますか」 「南様 お待ちしておりました、  エレベーターで7階へどうぞ」 軽く一礼をするその人に頭を下げ、 すぐに内線ボタンを押す。 「経営企画課の鈴木様、  田中薬工業の南様がお見えになりました」 簡潔に連絡をして アポイント予定表にチェックを入れると また来客を待つ この流れの繰り返しが私の主な仕事だ。  
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