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11月も半ば、世間はすっかりクリスマスだ。 綺麗なイルミネーションと赤や緑のモチーフ達が溢れかえってる。 駅までの道のりはそれはそれはピカピカしてて。 「ま、眩しい……」 エコなんじゃないのか、世の中こんなに光ってていいのか! あ、あたしのこういうのってひがみなのかなぁ。 特に彼氏もいなくて 特になぁんにもやる事のないあたしには全く、本気で、全力で興味がなかった。 まぁ、週3でジムに通ってるあたりが気晴らしくらいかしら。 そんな中、さっき別れたばかりの二人の背中が目に入った。 やっぱり目立つなぁ。 あ、振り返って見られてる。 そんなに、ガン見?? やだやだ、早く帰ろう。 もっと大武先生を見ていたい気はするけど、もしこの後、彼女とか、彼女とか、見ちゃったらショックだしね。 あぁ、ほら言わんこっちゃない。 大武先生が軽く手をあげた先に女の人。 綺麗な人…… 細身のスーツ。 綺麗に巻かれたブラウンヘアー。印象的だったのはアンジーを思わせるセクシーな唇。 やっぱりああいう人が先生達に似合うんだね。 まぁ、あたしは単なる憧れの域だから。 少し先にいる華やかなグループの脇を人波に紛れて追い越し、駅に入った。 なんだか脱力感に襲われる。 折原 蜜(オリハラ ミツ)、27歳。 軽く失恋気分味わいました。
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