17/38
前へ
/40ページ
次へ
ぎゃん! 飲みに、呑みに、飲みにいくー? あぁ、大武先生と宴会チャンスなんて一年に何回か。 しかも、今は先生自らアタシに声かけしたよぅ! シレっと振り返り3人の姿を視界に入れた。 「蜜、急いでたんじゃねーの? いいよ、こっちは」 突然水を掛けられたようなセリフ。 3人の中で、眼を細めたその人物は、形のいい唇の端をクィっとあげた。 「そーなんだ、残念」 美紀さんが溜め息をはくみたいに言った。 あたしの頭の中は情けないことに時間がストップしていて。 まんべんなく視界に入ってたはずの3人が、気付いたら1人しかいなくて…。 「じゃ、お疲れ?」 その人に弾き出されるかのように口をついて出た言葉が、 「ごきげんよう」 だった。
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3689人が本棚に入れています
本棚に追加