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「さむっ」 ジムから出てあたしは一人呟いた。 空気が冷たくてピシピシする。 空は濃い濃い夜の色 星が点々と張り付いていて。 すっかり冬の空気に変わってしまったんだ、と思った。 ジムからアパートまでは徒歩15分 ちょうど中間にあるコンビニに立ち寄る事にして。 今頃みんな、二次会とか行ってんのかなぁ。 そんな事を考えて時計を見るともう9時半を過ぎていた。 あたしはいつもよりも遅い時間に少しだけ急ぎ、ゼリー飲料とサラダを買って外へ出る。 部屋の前に着いて鞄の中のカギを探していると ふいに携帯が震えた。 カギを左手に持ち、携帯のディスプレイを見て 固まる。 「…えっ?」 表示された名前にドキリと心臓がひと跳ねした。
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