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『Bar サンロ』 山口、の山を音読み 口、をそのままカタカナ風読み それでサンロになったんだよ、と以前、山口さんから聞いた事があった。 そんなサンロにはホームタウンにあるという事もあり月に3、4回は通ってる。 扉の中はバーにありがちな照明を抑えたシックな空間 20畳位の広さにカウンター6席とテーブル少々 山口さんとバイト1人の小さなお店だった。 「いらっしゃいませ」 バイトの玲奈ちゃんの明るい声が響いた。 「こんばんは」 「蜜さん、久しぶり」 「うん、玲奈ちゃんとはあんまり会わないねぇ」 二人で笑いながらも店内を見回して カウンター、向かって右に見覚えある後ろ姿 あたしは玲奈ちゃんに目で合図してそこまで進んだ。 「先生、ちゃんと返事聞いてから切ってくださいよ」 あたしが言い終わると同時に若先生は振り向いた。 「大武、今さっき帰っちゃった」
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