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次の日は眠気をかみ殺す一日。 「ふぁぁあ~」 「あらあら朝から大きなアクビですこと」 あたしはえへへ、と肩をすくめた。 「ミッツ昨日は急いでどこ行く予定だったの?」 「あ、昨日楽しかったですか?」 「うん、まぁまぁだよ」 美紀さんは受付PCを起動させながら続ける。 「でもやっぱ、大武先生カッコいいよね まぁ若先生もそうなんだけどさ…… やる事なす事ほんとにさまになるっていうかさ」 「ふーん」 あたしは待合室の雑誌を手にしてパラパラとめくってみた。 「やっぱり、見た目は大事って事か」 「世の中渡るのには必須アイテムですね」 読みもしない雑誌を元に戻し、受付カウンターの中に入る。 始業15分前だけどもうそろそろ患者さんが来る頃だ。 パパ先生がにこやかに入って来て 今日もよろしく~ と、いつものように緩く声をかけていく。 パパ先生の緩さはあたしの癒しだ。 丁寧に患者さんの話を聞くところも やんわりと旨くダメだというところも それでいて説得力大なところもすごく尊敬してる。 あたしはこの病院に来てパパ先生に救われた。
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