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「折原 蜜です」
あたしは自分から名乗った。
「涼のところで勤めてるんだよ」
大武先生がフォローする。
「そうなんだ」
「彼女は三浦 環さん」
「今日オレはこいつに捕まったんだ。あんまりうるさいから仕方なく……」
「ひどい、涼先生」
三浦さんは怒った顔をしてほっぺたを膨らませた。
「今日オペ終わったらご飯行きましょって言ったじゃないですか!」
「大武と一緒だって言ったからだろ?」
「まぁ、それは違う事もないけど」
そうなんだ、大武先生がいるから来たのか。
モテモテじゃない、大武先生。
「環はN大病院のナースなんだよ」
大武先生にそう言われてあたしの心臓はまた跳ね上がった。
「N大ですか…」
「そう、涼は今日N大でやってたから」
……若先生、N大にも行ってたんだ。
T大病院だけかと思ってたけど、そうなんだ。
「どうかした?気分悪い?」
少しうつむき加減で黙っていたので、大武先生を心配させたみたいだ。
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