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「いえ、大丈夫です。すいません」
あたしはへへっと笑った。
三浦さんはN大に勤め始めて2年になると言った。
吉川医院に来る前、あたしはN大病院に勤めていた。
でも4年前に辞めていたから彼女の事はわからない。
よかった。
少しだけそう思っていた。
「折原さんはナース?」
「いえ、受付事務です」
「あ、そうなんだ」
「はい」
話を振られてもそこで終わっちゃうんだけど。
三浦さんはあたしより3歳上なんだそうだ。
彼女の対応からして、あたしはあんまり良く思われてないみたい。
「そういえば中山先生がさぁ」
三浦さんが思い出したように話をし始めた。
急に出てきた単語に反応して慌ててモヒートを飲み込む。
なんだか気管に入ったみたいで少し咳き込んでしまった。
「大丈夫?」
大武先生がおしぼりを渡してくれる。
あたしは大丈夫と制して、ハンカチを持ち席を外した。
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