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枕の下で携帯が震えてる。 あたし、アラームかけたっけ。 いやいや、今日は休みのはず。 起きなくていいんだよね。 薄目を開けて布団の隙間から覗き見る世界はもう既に明るい。 止まらないバイブレーション。 仕方なく枕の下に手を入れてディスプレイを確認する。 若先生! 「アラームじゃなくて、電話だったのか」 今日の第一声は少し掠れていた。昨日のお酒のせいだろうか。 でも酒やけするほど飲んでないなぁ。 まだ、震える携帯に我にかえり、通話ボタンを押した。 「もしもし」 やっぱり掠れた声が出る。 ん、んん、と咳払いをしてから再び、 「もしもし」 「……なんだ、風邪か」 絶対、遅い、とかって言われるんだろうな、って思ってたからちょっとビックリしてしまう。 「あ、いえ、今起きたところで…」 慌てて言うと、やっぱり。 「いつまで寝てんだよ」 って、別に休みの日ぐらいいーじゃない。 とは、言えずに。 「何かご用ですか?」 「今日予定は?」 「趣味に没頭します」 走りにゆくだけだけど。 趣味だもん、ジム。 「お前の趣味って、 ジム?」 ぎゃ! なんでわかる??!
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