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今日の車の中は、今までとは違う、ちょっと、会話に溢れたものになった。
今までとは、ってほんの何回か乗せてもらっただけだけど。
そうこうしてるうちに、車はとあるホテルの入り口に。
ん？と思って目を見張るとドアが開いて、ボーイさんの声が。
「足元お気をつけて」
あたしは促されるがままに降りる。
若先生は既に車の鍵を手渡していた。
目の前で繰り広げられる光景にあんまりご縁のなかったあたしはひとり、プリティーウーマンの世界だ。
と、少し昔懐かしい映画を思い出していた。
「行くぞ」
入り口の前で立ち止まる若先生の後に続く。
ダメだ、気後れしちゃってどこに行くのか、何をするかさえも聞けない。
よ、弱い…。
心の中でダメだしをしながら、若先生の後ろを着いていった。
エレベーターに乗って連れられたのは高層階のズラリお部屋が並んだ廊下。
ギョッとして更に気後れが進行する。
が、向かった先は明るく開けたラウンジだった。
わぁ、キレイ。
すごい、富士山。
今日は晴れてるからくっきり見える。
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