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薄く目を開けると、視界に広がる知らない天井。
ご丁寧にシャンデリアらしき物まで見える。
「あ」
体を起こして記憶がつながった。
キョロキョロ部屋を見ると窓の外は赤く染まっていた。
若先生の姿はない。
ここは寝室らしい。
「若先生?」
寝室の入り口に扉はなく、そのまま隣の部屋へと続いていた。
ゆったりとしたソファの上でやっぱり眠ってしまっている若先生を発見して、ドキッとする。
投げ出された体はすごくラフな格好で。
Tシャツに七分丈のパンツ。
余分なものが付いていない体に貼り付いて呼吸と共に動いていた。
すぐ近くのテーブルにミネラルウォーターと新聞。
あたしいつの間に寝たんだろう。
壁に掛けられた時計は4時20分だった。
一時間くらいは寝てたのかなぁ。
若先生も疲れてるよね。
そろそろ帰ろうかなぁ。
音を立てないようにしてバッグを探し始める。
そして暫くしてここには無い事に気づいた。
ボディバッグはあるけど、トートバッグが無い。
車の中に置いてきたんだ。
「あー」
バカ。
自分の不用意さに呆れてしまう。
「…蜜?」
そして、後ろから若先生の声。
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