2431人が本棚に入れています
本棚に追加
「あ、すいません。うるさかったですか?」
んー、と伸びをする若先生を見てまたドキリ。
捲れたTシャツの裾から綺麗に割れた腹筋がチラリズムしている。
やばっ!
やっぱりこの人、凄いカラダ。
あたしも趣味とはいえ、暇さえあればジムに通ういわばジムオタク。
筋肉には多少うるさい。
鍛えている人の体は本当に綺麗なんだ。
ソファに座り直した若先生はペットボトルを手に取った。
揺れる喉元を凝視するあたしに気付いたのか、いつに無く優しい表情で手招きする。
「こっち、おいで」
外は先刻よりも暗みが増し、空のほとんどを占めていた。
山の端に少し赤が残るのみ。
間接照明しか付いていない部屋は艶やかな雰囲気を湛えていて。
そんな中で、おいで、と言われて今のあたしには逆らえるはずはない。
だって、この人が大いに気になって仕方ないから。
若先生の目の前まで惹き付けられるように移動した。
ス、と手を引かれ右隣に沈む体。
「なぁ蜜」
甘く低く響く音。
「はぃ」
「もぅ貰ってもいい?」
唇同士が付きそうなくらい近く。
だけど決して合わせようとしない。
こちらの理性を試すかのように。
あたしも負けじと応戦する。
「何をですか」
細めた眼に妖しい光。
その光の中に写りこむあたし。
最初のコメントを投稿しよう!