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若先生はM区のとあるビルの地下に車を滑らせた。 なんだ、ここ。 こんな洒落た街中にジムなんてあるのかね。 「先、降りといて」 あ、はいはい。 停めようとしてるスペースのちょうど左隣にコンクリートの仕切り柱があった。 あたしが降りて車から離れると、簡単にそのスペースに入り込んでいく。 あぁ、駐車もうまいのね。 へー。 これでそっち系じゃなかったら本当にイイ男なのに。 メガネをかけた若先生はいつもより3倍増しでお利口さんに見えた。 何も言わずに歩き出す後に着いて行く。 大武先生と比べるわけではないけれど、ぜんっぜん比べられないけど、優しくないっ。 エレベーターに乗り込むと、気になる表示が。 『F fitness』 「エフフィットネス?」 えぇー! エフフィット! 高級会員制スポーツクラブじゃない! 著名人やスポーツ選手なんかも通ってたりするとか。 パーソナルトレーニングジムの老舗じゃないですか。
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