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「何がナゾ?」 その、あなたの眼に、じっと見つめられると、背中にゾクゾクと感じるあたし気質。 「どうした、言えよ」 急に口調がきつくなって。 音も低く鋭いものへと変わる。 きゅう、っと収縮するあたしの身体のどこかが、若先生に反応をしてあたしを一歩前に押した。 「ナゾ、だらけで……」 「ふーん」 顔に血液が集中するのがわかる。若先生の眼を正面で見られずに、あたしは続ける。 「あの、メールが何だったかも、誰が送ってきたのかも、それに、あたしが」 あたしは今ここで聞いてみようと思ったんだ。 グッとお腹に力を入れて若先生を正面で捉えた。 「あたしがナースだって、知ってた事も、ナゾです」 暫くの間、きゅっと唇を噛んで若先生に向いていた。 大きな黒い瞳。 長いまつ毛。 いいパーツばっかり。 ズルいなぁ。 ドキドキするのに余計な事を考えるのは緊張を解そうとしているからなのか。 あたしにしてはこれでも食って掛かったツモリで。 それなのに、若先生は突然あたしをすり抜けてリビングを出て行った。
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